小さいころから、いくらにたらこ、明太子に数の子……と、とにかく魚卵が好きで好きで、魚卵と白米さえあれば生きていける!と思っているクチなんです。小さい頃も、数十年生きた今も。
スイスに住んでいた時期は、たらことか明太子のパスタソースを大量に持っていったりとか(お米に塗っても美味しいんだよ!)、フランスに住んでいた時はラッキーなことに港町だったために市場に魚売り場があって、生のたらこを見つけて塩漬け→塩抜きして食べるということまでしてたくらいの魚卵クレイジー。
※その市場で「oeuf de cabillaurd」(鱈の卵)という、たらこのフランス語を覚えたのだから思い出深い。
今でも一日一食は魚卵が食べたい!もし食べ過ぎてドクターストップがかかったとしたら生きる希望を失うくらいの好きっぷり!魚卵に似た感じのもので、海ぶどうとかとんぶりとかあるけど……やっぱり魚卵じゃないと無理!魚卵 is JUSTICE!!
……でも美味しい魚卵で話題になるのって、博多の明太子とか、北海道のいくらとかが多いんじゃない?と思ったそこのアナタ。
いえいえ、庄内にも魚卵、いろいろあるんですよ……!!!
庄内の魚卵物語
酒田市がある庄内地方は日本海に面した港町。冬には荒れ狂う厳しい海の影響で、とっても美味しい海産物が獲れる場所。
もちろんスーパーでは普通にたらこや明太子、すじこなどが売られていますが……季節によって出現するおいしい地元の魚卵があるんです。
たらことはちょっと違う、鱈の子!
たらこっていうとピンク色で細めのあの形を想像すると思いますが、真鱈が旬を迎え、寒鱈汁が全盛期になる真冬に魚売り場に登場するのがこれ。
まだらの子……見た目はちょっとグロい……
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「たらこ」で想像しているとビビる大きさ、そして黒さ。何なら皮が破れてるのも多いので、「え、これ大丈夫……?」と初見では思うはず。私は思った!
1月下旬頃から2月の真冬、庄内の鮮魚売り場は鱈!鱈!鱈!!!という感じになり、身だけではなく寒鱈汁用に身や肝などがまとまったセットも売られるのですが、その時絶対に置かれているのがこの子。
さてどうやって食べるのかというと、煮つけにしたり炒り煮にしたりと色々なレシピはあるものの、私が一番好きなのはしょうゆ漬け。
醤油を吸い込んだたらこの粒粒がはちきれんぱかりで、お酒のあてにもごはんのお供にもぜっぴん(*’▽’)冷蔵庫で1週間くらいはもつというのもありがたいポイント。一気に食べたらコレステロールと塩分がそれなりに気になるからね。
はららごでいくら三昧!
はららごとは、11月末頃に期間限定で魚屋さんや魚売り場に登場する子。ばらして味付けすればいくらのしょうゆ漬けができるあいつです。
鮭の卵巣なので、筋子っちゃ筋子なのですが(筋子と書いて売られている場合もある)、スーパーで見かけるあの筋子とは見た目からして違う!なんせ粒が大きいんです(*’▽’)
これをぬるま湯でばらし、好きな味に仕立てたタレにつければ……いくらのしょうゆ漬けがたっぷりできる!
はららごは一見3,000円とかでのなかなかなお値段のものもありますが、ばらしてしょうゆ漬けにしてみたら出来上がった量にびっくりするから!スーパーでちっちゃーいパックで600円とかで売ってる量を想像したら腰抜かすよ(*’▽’)
ちなみに、はららごをばらしていくらのしょうゆ漬けを作るやり方は、以前書いたはららごでしょうゆ漬けを作る記事をご覧ください。
「いくらのしょうゆ漬けはたっぷり食べたいけど、手が生臭くなるのはやだなぁ」という方は、はららごを売っている魚屋さんで頼むと、その場で皮を取って調味液につけてくれるのでぜひ注文してみて。なんとスーパーの鮮魚売り場でもやってくれるよ!(*’▽’)
庄内魚卵のニューフェイス!「出羽唐墨」
のろのろと魚卵に関する記事を書いていたら、こんなニュースが飛び込んできました。
何と、庄内浜で揚がった寒ダラを使ったカラスミが完成したんだとか。その名も、「出羽唐墨」!!
いやあ~、さすが須田さん!←料理長
冬の庄内の絶品、寒ダラを使ったカラスミなんておいしいに違いない、今すぐ買いにいかなきゃ…………
今回は10本のカラスミが完成。今年は一般販売せず、既存メニューの料理に盛り込む。
山形新聞:https://www.yamagata-np.jp/news/202203/30/kj_2022033000775.php
これは加茂水族館のレストラン、沖海月まで食べに行かなければ……!
加茂水族館のレストランは、水族館併設のレストランっていうレベルじゃなく美味しいからね。
庄内の絶品魚卵をおともに、炊き立ての庄内米をかきこんでみれば、「生きててよかった~!」レベルのおいしさを感じられるはず。さあ、おいでませ庄内。